自分は全然「いい子」じゃないのに、他人からよく「いい子」って言われてしまう…。
そんな「いい子」でいる人生に疲れや息苦しさを感じていませんか? 私は、小学生からずっと家庭内暴力に怯えて「いい子」を装い続けていたのですが、そうしているうちにいつの間にか患っていたのがうつ病でした。
本来の自分ではない「いい子」に苦しめられて疲れてしまった私は、ついに心を壊してしまったのです。 また、家庭に問題がなくても心の奥が真面目な人は他人からの「あなたはいい子」という言葉にプレッシャーを感じてしまったり、そうでなければならないと思い、行動を制限してしまい疲労がたまってしまったり、本当の自分を見失うことも珍しくありません。
「いい子」をやめるには、悪さや反抗をするのではなく「自己肯定感」を高めることが必要です。自己肯定感を高めてあげられると、「いい子」でなくても生きるのがぐっと楽になりますよ。私はそうでした。 今回は、経験からお教えする「いい子」から卒業する方法や注意点をご紹介します。
「いい子に疲れた」は頑張りすぎのサイン
無理をして「いい子」でいると、どうしても自分の心身に負担がかかって疲れてしまいます。心身共に限界を迎えてぐったりと疲れてしまった時は、決して無理をせず、思う存分休んで心と体を労わってください。
漠然と「休め」と言われてもその休み方がわからないという方も多いと思いますので、ここでは、私の休み方を例にとってご紹介します。 幼いころから「いい子」を強いられてきた私は、疲れが出ると聴覚と視覚が過敏になってしまうようになりました。
耳元では不必要な周囲の雑音がざわめき、視界ではひしめきあう情報の流れに、心身共に疲れてしまうのです。 こんな頑張りすぎのサインが現れた時は、まず、携帯やネットを手放して過ごしてみます。
そして、ホワイトノイズの音楽(テレビの砂嵐のような音)を流し、大好きなフランキンセンスのアロマを焚き、肌触りのよいお気に入りのブランケットにくるまって…自分だけのマインドフルな世界に浸るのです。
時間をかけながら疲れた心を労わってあげることで、自然と気持ちが落ち着いてきます。「いい子」でいるせいでどっと疲れてしまった時は、あなただけのリラックスしやすい環境を作り、焦らずゆっくりと労わってあげてくださいね。
「いい子に疲れる」3つの理由
「いい子」に疲れた心身を癒すには、自分の特性を見極めて向き合うことがとても重要です。自分自身を知らないままだと、どのように対処していけばよいのかわからないままになってしまいます。
「いい子」に疲れてしまうその理由を、3つの視点から探っていきましょう。ここでは、ご自身の心を客観的に観察してみてくださいね。
自分を理解してもらえていない孤独感を持ってしまうから
他人から認められようと「いい子」を装うほど、本来の自分から乖離してしまい、そのギャップからぐったりと疲れてしまいます。 また、本当の自分をわかってもらえない孤独感や自分の意見を否定されるのではないかという恐怖感を抱えてしまうでしょう。
他人の思う「いい子」でいないと、自分という存在を許容してもらえないのではないか、と感じてしまうこともあるのではないでしょうか。
私は指摘されたり否定されるのがめっちゃ嫌いやねん。動揺してしまう。まぁ、良かれと思って言ってくれる人も居るし必要なこともあるんだろうけどね😅なんでだろ。私はいい子でないといけないんだと思ってるからやろうな…。間違ったりしたらあかんて。そんな事はないんだけれど。間違いも失敗もある。
-- どきんちゃんがいない (@ibcZ8qk8iMLtIns) September 28, 2019
「いい子」の型にはめられて本当の自分を受け入れてもらえなかったという孤独感は、時間が経っても自己形成に大きな影響を及ぼしてしまうのです。
私の場合、幼少期から他人と違うところばかりが目立っていつも頭ごなしに否定されてきました。 「他人からの評価こそが、自分の存在価値だ」と認識していた私は、自己肯定感が地の底を這っているような状況で孤独感を抱え、次第に心身ともに疲れていきました。
2.不要な責任まで負いすぎて身体的にも疲れている
「いい子」でいることを強いられ、常に気の張った状態で過ごすうちに、力の抜き方がわからなくなって疲れてしまうこともあるでしょう。
お家って本当は気楽に休む場所でないといけないのにね、、私も似た環境で、いつもいい子で、肩に力入れて実家に居ました。居心地悪かった、、、
-- りか (@0DwRE6rtOPLpVxD) August 15, 2019
そうしてリラックスできずにいると神経が過敏になり、ちょっとのことですぐに疲れやすい状態になってしまうのです。 私も気の休まることのない幼少期を過ごしたせいか、常に筋肉には力が入って刺激に敏感になり、他人の何倍も疲れやすい体になってしまいました。
1人でいてもうまくリラックスできずにいるので、日常生活を送っているだけでも歯を食いしばってしまいます。
3.本当に好きなことを自由にできないから
他人の決める「いい子」でい続けると、本当にしたいことや、したいと思っている振舞いを制限されてしまい、諦めてきたことも多いと思います。
そうなると、諦め癖や我慢する癖がついてしまい、わがままや本当にしたいことを咄嗟に言えなくなりがちです。
いい子でないといけない、が子供の頃からしみつきすぎていざとなるとワガママができません、、、
-- It-is-Sophia@marriage (@itissophia1) November 18, 2019
抑圧された気持ちが「もう疲れた」「どうでもいい」「なんで言えないんだろう」などネガティブな言葉に変わり、心を重く疲れやすくさせます。
「いい子」に疲れた場合の対処法
「いい子」で疲れた心身のリフレッシュには、他人の目を気にせずに自分のしたいことをする時間は欠かせません。 そんな「いい子」に疲れた時の対処法として試してみてほしいのが、あえて「悪い子」になってみることです。
悪い子と言っても、法を犯したり、誰かに迷惑をかけることではありません。力を抜く方法を紹介しましょう。
1日だけ「いい子の休日」を作ってみる
「いい子」モードに疲れてしまった時は、まず「何もしない日(休日)」を作ってみましょう。「ローマの休日」のような日です。 休日なので、いつもは無理して頑張っている家事も節約なんかも、みーんな放棄していいのです。
一日くらいサボっても、生活は続けられます。 子供がいて困るようであれば、配偶者や親に頼ってください。もし、できないようであれば家事代行サービスを依頼しましょう。 また、普段は罪悪感を感じてしまってできないようなことも、「休日」くらいは許せるのではないでしょうか。
私の場合、「コンビニで金額を気にせずひたすらに好きな食べ物・飲み物を買い込み引きこもる」という悪魔のような欲求をストレートに受け止めています。 いつも我慢しているぶん、空気を抜く時間を作ってあげないと爆発してしまいますからね。 どうしても休日を作れない人は、環境を変えてみるのをおすすめします。
目に映る世界を自分の好きなものでいっぱいにして過ごすだけでも、気は緩まりますよ。
「いい子でいるのに疲れた」ことを他人に話してみる
本当の「いい子」でない自分をさらけ出せる存在がいないと、人生に疲れてしまうのも無理はありません。恐れずにありのままの自分をさらけ出すことは、自身を受け入れて成長させるために必要な第一歩です。
逆に言えば、他人から「いい子」でない本来の自分を認めてもらえることが、自己肯定感を育むきっかけになることもあるのではないでしょうか。
多様性に富んだ現代社会ですから、「いい子」じゃないあなたを受け入れてくれたり、共感してくれたりする人は必ずいます。 ありのままのあなたを受け入れてくれる存在を見つけ、自分を肯定できるうようになるのが「いい子」から卒業する近道ではないでしょうか。
もし、相談できる相手がいない場合、カウンセラーに相談するのもひとつの方法です。
子供のころ「好き」と思ってもできなかったことする
子供のころ「好き」「したい」と思ってもできないことが、大なり小なりあったはずです。
我慢を覚えるために必要なことではありますが、制約が多く窮屈な幼少期を過ごしてきた方は、大きくなってそれをしたいと思っても「悪いこと」「我慢すべきこと」と無意識に抑圧してしまうケースも少なくありません。
大それたことでなくても、昔は買ってもらえなくて我慢していた少し高いお菓子を買ったり、憧れのゲーム機で遊んでみたり…どんなことでも構いません。
「いい子」の自分を形成した過去と「今の自分」が違うと認識できれば、過去から一歩抜け出せるでしょう。 当時は空っぽだった心が、時を経ることで満たされることもありますよ。
家族や地元と少し距離を置く
「いい子」を求めてくる存在からは、一刻も早く離れるのが良いでしょう。あなたにとって嫌な影響を及ぼしてくるものや人には距離を置くことが、ご自身の心の防御力を上げるポイントです。
私も、自分を「いい子」として縛り付けてきた家族に耐えきれず、18歳の時に地元から離れて独り立ちしたことで、大きく変わることができました。
あのまま勇気を出せずにただの「いい子」として生きていれば、破滅の未来しか待っていなかったと思います。 もちろん、自由には責任が伴いますし、自分の力だけで生きていくというのは大変なことで、たくさん失敗も後悔もしました。
しかし、自身の意志を曲げずにマイペースに、そして自由に生きられるということが何よりも大切なことだとわかったのです。 これまでじゅうぶん「いい子」として頑張ってきたあなたなら、自由になってみても案外平気なはずです。
縛られているものから少しでも距離を置いて、ゆっくり自分を見つめる時間を作ってあげてくださいね。
「いい子」を卒業する際の注意点
「いい子」の卒業は、「悪い人」になることではありません。 抑圧されていた分、反動や衝動から自分でも考えられないような非行に出てしまったり、なにかに依存してしまったりと、道を踏み外す可能性もゼロではありません。
また、慣れないことや初めてのことが多く、いきなりはじけすぎると罪悪感や疲労感から余計に疲れてしまうケースもあります。あくまで無理がなく、法や一般道徳の範囲内で今まで手を出せなかった物事に挑戦してみてください。
自分のペースや想いを尊重するために、ぜひ一歩勇気を出してみてくださいね。
「いい子」はいつの間にか「長所」になっている!
「いい子を卒業する」といっても、長年染みついた行動や考え方は、疲れたから…といって簡単に変えられるものではありませんよね。
「ありのままの自分を受け入れて向き合うしかない…」と考えるとハードルが高くなりがちですが、「いい子はお得」と考えると少しハードルが下がるのではないでしょうか。 「いい子」は協調性が高く愛想も良い平和主義のため、年上や周囲からかわいがられやすい人が多いのが特徴です。
私も、これまで「いい子」として培ってきた外面の良さには、何度も助けられました。特に本来の自分をさらけ出す必要のない社交的なシーンにおいては、苦労したことはあまりありません。
今まで「いい子」として生きてきたことは、あなたの素敵な長所です。すべて直そうと思うのではなく、他の人にはない等身大の自分を認めて、愛してあげてくださいね
まとめ
今回ご紹介した「いい子」から卒業するための様々な心構えですが、あなたの自己肯定感を少しでも育むヒントになっていれば幸いです。
「いい子」としての息苦しささえ克服してしまえば、たちまちその生き方は強みとして、あなたの財産になるでしょう。 自分の気持ちや意志を尊重し貫く生き方は、とっても楽しいものです。
ぜひ、息苦しい「いい子」から脱却し、「素敵な長所」を尊重し縛られることのないあなただけの人生を謳歌してくださいね。陰ながら、応援しています。