保険の選び方

学資保険は本当に必要?学資保険の役割と賢く保険商品を選ぶポイント

学資保険_必要性

子供を育てるのにはお金が必要です。衣類や食費など子供にかかる費用はたくさんありますが、その中でも最も大きい費用は子供の学習にかかる費用でしょう。

厚生労働省が実施した、平成24年度の子供の学習費調査によると、幼稚園〜高校までの学習総額費用は全て公立の場合で約400万円、全て私立の場合は約650万円になります。

教育機関 公立 私立
幼稚園 230,100円 487,427円
小学校 305,807円 1,422,357円
中学校 450,340円 1,295,156円
高等学校 386,439円 966,816円
大学(4年間) 約250万円

参考:平成24年度|文部科学省「子どもの学習費調査」

この費用をどうやって用意すべきか、その方法は様々ですが、その選択肢の一つに学資保険・貯蓄が浮かぶことと思います。

そこで今回は、「学資保険と預貯金どちらにしよう」といった悩みを抱えている方に向けて、学資保険が必要になるのはどのような人なのか。学資保険を選ぶ上で、どのような点について気をつけなければならないのかについて解説していきます。

 

学資保険の必要性やメリットは?加入を判断する上で重要な3つの項目

一番のポイントは返戻率|相場は100%前後

学資保険は、支払う保険料を満期保険金や祝い金の名目で契約時に決めた時期に給付金として受け取れる、教育費の確保を目的とした保険です。

しかし、『保険料の支払総額=保険金の受取総額』という訳ではありません。そこには、返戻率(へんれいりつ)(戻り率ともいわれます。)というものが関わってきます。

学資保険の返戻率相場

契約者を男性30歳、保険加入時の被保険者の年齢を0歳とした時の返戻率の相場は、保障の内容が充実した保険商品に関しては、100%前後、保障があまり充実していない保険商品に関しては100%~110%といったところです。

ソニー生命の学資保険

参考:ソニー生命|学資保険スクエア

保障が多くなるほど、返戻率が低くなる傾向にありますが、安心をとるか、金融商品として価値の高い保険商品を選ぶかは保険に加入する人の状況や希望次第でしょう。

返戻率の算出方法

返戻率とは、満期保険金や祝い金など、受け取れる保険金の総額に対しての支払う保険料の総額の割合のことをいいます。つまり、返戻率が高ければ高いほど、保険金の受取総額は多くなります

計算式で表すと以下の通りです。

返戻率 =保険金の受取総額 ÷ 保険料の支払総額 × 100

例えば、保険料の支払総額が300万円の保険商品の保険金受取総額が330万円ならば、その返戻率は110%、しかし、同じ保険料でも受取総額が290万円ならば返戻率は98%で元本割れ(※)となり、貯蓄を目的とするには向いていない保険商品といえます。

ただし、返戻率が100%を切り、元本割れする保険商品は、その多くに貯蓄目的以外に様々な保障がついています。

ポイント

子供の疾病や傷害への保障を備えたもの、契約者である保護者の死亡等への保障を備えたものなど、教育費の確保に加え、保障に重点をおいた学資保険を保障型学資保険といいます。

様々な保障をするということは保険会社にとってはリスクとなりますから、教育費の積立を目的とした単純な貯蓄型学資保険よりも返戻率が低くなる傾向にあります。

現在の貯蓄の有無|資金があれば加入する必要性は薄い

学資保険はあくまでも子供の将来のための教育資金を貯める手段です。貯蓄が十分にあるのに、「子供が生まれた」「小さい子供が居る」という理由で学資保険に加入する必要はありません。学資保険に加入すること自体が目的になってしまっていないか、いちど振り返ってみてはいかがでしょうか?

お金があれば、わざわざ保険に入る必要はない

また、現在十分に稼いでいる人は、わざわざ学資保険に加入する必要はないでしょう。貯蓄にまわし、いざという時の保障は生命保険で賄うといったプランがおすすめです。そちらの方が、学資保険よりも保険料が安くなります。例えば学資保険で毎月10,000円程度を払い込むよりも、生命保険に加入し、数千円の保険料で万が一の場合に備える方がお得といえます。

計画的な貯金ができないなら加入しても良い|半強制貯蓄はメリットになる

子供が小学校に入るとき、中学校に入るとき、高校に入るとき、大学に入るとき、必ずまとまったお金が必要になります。その際に備えて十分に貯金ができていない方は学資保険に加入した方がよいでしょう。

学資保険はプランにもよりますが、その多くが進学の際にまとまったお金を受け取れるようになっています。毎月コツコツと保険料は払う代わりに、必要なときに必要な額を受け取れるので計画的な貯金が苦手な方にも向いていると言えます。

親に万が一の事があって、亡くなってしまったり、働けなくなってしまっても、学資保険に加入していれば保険金を受け取ることができます。「貯金」と「保障」を両方まかなえるイメージですね。

加入時期|基本的には早ければ早いほど良い

学資保険の保険料はさまざまな条件により決定しますが、0歳~18歳の間に300万円の積み立てをするのと、5歳~18歳の間で積み立てをするとのでは、期間が短い方が月々の負担が重くなりますので、学資保険への加入を決めているのであれば早ければ早い時期に加入されることをおすすめします。

また、契約した時点で保障が始まるため、出産前に契約者(父親)に万が一があった(死亡または働けない状態になった)場合、それ以降の保険料が免除される事に加え、プランどおりの保険金を受け取ることも可能ですので、早めに学資保険に加入しておく事で得られるメリットは大きいと言えます。

学資保険を賢く選ぶには?チェックすべき6つのポイント

返戻率が100%を超えていること|できるだけ返戻率を上げる7つの方法

学資保険の返戻金は100%〜120%程度です。もし120%の保険に契約した場合、300万円払ったとしたら満了期に360万円受け取れます。解約すると返戻率が下がり元本割れしますが、子供の学資金確保意外に使いみちを考えていないのであれば、銀行預金と比較するとなかなか良い利回りです。

保険料の支払いはまとめる!

『全期前納期払い(※)→年払い→半年払い→月払い』の順で支払う保険料の総額は安くなります。保険料が安くなっても、受け取れる保険金の総額は同じなので、つまり、返戻率が高くなるということです。

全期前納払いとは

保険料の総額を契約時に保険会社に預ける形で一括で支払う方法で、年1回や月毎など、契約時に決めた支払期日が来たら、預けたお金から保険料が支払われる仕組みになっています。

妊娠中に契約する

学資保険は、契約年数(満期までの期間)が長いほど、返戻率が高くなるという性質があります。これは、学資保険の貯蓄性が高いことが理由に挙げられます。

貯蓄性が高い保険の保険料は、保険会社が運用しています。そのため、長く加入している(保険料を運用のために保険会社に預ける)ほど、長期に渡って資産運用ができ、満期返戻金の金額が上がるのです。

子供を妊娠している早い段階から契約することで、返戻率を高くできます。

保険料の払込期間は短くする

払込期間を短くすると、一回に支払う保険料の金額はアップするかもしれませんが、総額は安くなることがほとんどです。最近では保険料の払込期間が10歳という商品も出ています。

保険金の受取もまとめる

満期時以外に、小学校、中学校、高校、大学とそれぞれの入学時に祝い金の名目で、複数回に分けて保険金を受け取れる保険商品もあります。

しかし、保険金の受け取りはできるだけまとめて、できるだけ後らせた方が、受け取る保険金の総額がアップします。

保障は極力シンプルにする

保障がシンプルであればあるほど、返戻率が高くなる傾向にあります。ちなみに、ほとんどの学資保険の商品には保険料免除の保障が付いていますが、これが付かないタイプの商品もあり、付かないタイプの方が返戻率は高くなります。

この他には兄弟割引といって、兄弟で同じ学資保険に入ることで、返戻率が高くなるものもあります。

支払方法をクレジットカードにする

返戻率自体を高くできませんが、カードのポイントを貯めて得する方法もあります。ただし、これらはあくまで『返戻率を高くする』ということに重点をおいた方法ですので、無理な契約内容・条件でないか、必要な保障は確保できているかなどの注意は必要です。

無配当型を選択

学資保険には保険会社が資金運用によって利益が発生した場合に、配当金を受け取れる「有配当型」がありますが、一般的に配当金を受け取らない無配当型の方が、保険料が安く返戻率が高い傾向にあります。

配当は保険会社の余剰利益の中から必ずもらえるわけではないため、一見、無配当型の方がお得に感じられるかもしれません。

貯蓄型か保障型か

学資保険の貯蓄型と保障型、一般的には貯蓄型がいいとされています。理由はシンプルで、保障型の方は元本割れをするかもしれないからです。子供の教育資金を貯めたいのに、払い込んだ保険料を下回る金額を受け取るのでは本末転倒です。

それをするくらいなら、銀行等の自動振替機能を利用してお給料が自動的に貯金用の口座に振り込まれるようにすれば良いだけです。

保障型のメリットは?

全くない訳ではありません。保障型は元本割れをする分、保障は充実しています。例えば契約者(親)に万が一のことが合った場合は育英年金を受け取れるもの。これは親視点で考えると、「子供を残して自分が亡くなってしまった場合、どうなるのだろう」といった不安を和らげるというメリットがあります。

払込期間と月々の保険料

保険料を払い込むのは高校入学までなのか、大学入学までなのか、また月々の保険料はいくらまでなら支払えるのか。身を削ってまで保険料を払う必要はありませんので、無理なく継続的に支払える保険料を設定しましょう。

例えばお子様が0歳の時から大学入学時まで(18年間)払い込むとすれば、

月々10,000円の保険料で12(ヶ月)× 18(年)× 10,000(円)

216万円が保険料の総支払額となります。貯蓄型のものであれば、216万円は最低でも保障されることになります。大学の入学時の費用を用意するということであれば、学校によって異なりますが200万円もあれば十分でしょう。

加入前に必ず見積もりを行う

学資保険は途中で解約すると大きく元本割れするので、月額を多くし過ぎて家計を圧迫したとしても途中でやめにくい特徴があります。急な事態に対応するには、少し余裕を持たせておいたほうが良いこともあります。

10年~15年で払い込みを完了するプランを選ぶ

学資保険では一般的に、全保険料を支払うまでの期間を選ぶことができます。このとき、支払いまでの期間は10年~15年とすることをおすすめします。

保険は短期間で払い込んだ方が、返戻率が高いという特徴があります。そのため、長期間にわたって払うより、貯蓄性を重視し、短期間で払い込んだ方がよいでしょう。

また、学資保険は妊娠中や出産後に加入される方が多く、払い込みを義務教育が終わるまでに完了していれば、教育費がかかる高校以降の出費を抑えることができるというメリットもあります。

払込免除特約があること

払込免除特約とは、契約者(親)が死亡、もしくは所定の高度障害になった場合に、それ以降の保険料の支払いを免除し、満期返戻金を受け取ることができる特約です。

払込免除特約をつけることで保険料が少し上がり、返戻率は下がります。しかし、ご自身の身に万が一のことがあったときのことを考えると、払込免除特約はつけておくことをおすすめします。

学資保険以外に教育資金を確保する4つの方法

生命保険を利用する

預貯金だけでは心配という方は、生命保険で賄うという方法もあります。たとえばですが、オリックス生命のブリッジ(定期保険)では、保険金1000万円の場合でも保険料は1,300円程度ですので、柔軟な対応が可能な預貯金と、掛け捨ての生命保険を利用するのもいいでしょう。

低解約返戻金型終身保険を利用する

貯蓄性だけで見れば学資保険の方が高いですが、低解約返戻金型終身保険はお金を受け取るタイミングが自由ですので、学資としての利用しかできない学資保険とは違い、用途に幅が持たせられるという点では、安心できる材料のひとつになることでしょう。

解約返戻率
年齢 通常タイプ 低解約返戻金型
40歳 85% 75%
45歳 89% 80%
50歳 93% 85%
55歳 96% 90%
60歳 99% 95%
65歳 103% 110%
70歳 105% 115%
75歳 108% 120%

これはあくまでも例なのですが、低解約返戻金型終身保険は保険料の払い込みが完了するまでは、解約返戻金が低くなっています。通常の終身保険よりもこれは目に見えて違うでしょう。

しかし、おおよそ60~65歳で保険料を払い込み済みますが、その後は大幅に返戻率が上がり、それまで払い込んだ保険料をグングン上回ってきます。

メリット

  1. 通常の保険にくらべて保険料が安い
  2. 低金利だが支払い満了時に一気に解約返戻金が上がる

デメリット

  1. 途中解約の影響が大きすぎる
  2. 保険の見直しができない
  3. インフレに弱い

定期預金

まず、貯金と言われて大多数の人がすぐ思いつくのがこの手段でしょう。

定期預金は決まった時期に決まった学が積み上げられる預金で、途中解約すると利率が下がります。途中で引き落としたければ普通貯金にためておくのもいいでしょう。利回りは期待できませんが、いざという時にお金に困らないため保険を解約して損するリスクを減らせます。

また、自由に引きおろせないかわりに、高い金利が設定されている定期預金はお金をためたい人におすすめです。

株、証券など金融商品

お金をためる・増やす手段として株や証券なども、当然選択肢に入ってくるでしょう。近年では「NISA」と呼ばれる小額投資の個人の投資家を優遇する制度も導入されたことで、老後の資金などをためようと考える人たちなどでも株を始める人が増えたりし、以前より身近になっています。

元本割れリスクや保険の相談はファイナンシャルプランナーに相談しよう

現在、保険に加入している方は、元本割れのリスクを避けるために、不要な保障は削るべきだと説明しました。

しかし、加入者によって必要な保障内容は異なるので、どの保障が必要で不要なのかを、個人で判断することは難しいと思います。

そこで、自分に適した保障内容を明確にするためにもファイナンシャルプランナー(FP)に相談することをオススメします。専門家な視点で、客観的なアドバイスをもらうことができるからです。

また、FPは、投資信託の利用、貯金、生活の見直しについても相談することができます。

弁護士保険mikata